10年に一度の大祭―サイシャット族パスタアイ
2006.12執筆記事
台湾の北部、新竹県五峯郷と苗栗県南庄郷に暮らすサイシャット族は人口5000人あまり。少ない人口ながらも伝統文化を大切に守ってきた彼らは、2年に一度「パスタアイ」という精霊祭を開きます。この祭事には興味深い由来があります。かつてサイシャットの人々は「タアイ」と呼ばれる小人たちと仲良く暮らしていたと言います。ところが、ある誤解から彼らはタアイを殺害し、絶滅させてしまいました。それ以来、凶作が続くようになり、サイシャットの人々は飢餓に苦しめられました。そこで彼らの霊を慰めるための供養が行われるようになりました。これがパスタアイの始まりです。ちょうど今年は10年に一度の大祭にあたり、12月1日夜から4日朝まで盛大に行われました。神秘的な歌声と鈴の音が山奥に響きわたり、会場全体は幻想的な雰囲気に包まれていました。
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