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台湾最南端の地 鵝鑾鼻を訪ねる

『な〜るほどザ台湾』観光最新情報 2007年4月号掲載

鵝鑾鼻は恒春半島の南端。言うまでもなく台湾最南端の地である。北緯21度53分58秒、東経120度50分59秒。緑生い茂る南国の楽園に足を運んでみよう。

戦前から名を馳せていた景勝地

 屏東県の恒春半島は台湾最南端の地。ほぼ全域が墾丁国家公園(国立公園)の管轄下にある。半島の先端部は二股になっており、西側は猫鼻頭、東側が鵝鑾鼻と呼ばれている。猫鼻頭は岩礁ばかりが続いているが、東側には岩場の間に美しいビーチが広がっている。鵝鑾鼻はその先端にある岬である。

現在、ここは鵝鑾鼻公園として整備されており、遊歩道が伸びている。古くから景勝地として知られ、ここから眺めるバシー海峡の海原は、絵はがきなどにもなっていた。なお、終戦までの表記は「鵞鑾鼻」。「鵞鑾」とはパイワン族の言葉「ゴオルアン」に漢字を当てたもの。その意味は「帆」を示していたと伝えられている。

鬱蒼と茂る熱帯植物

 早速、園内を散策してみよう。遊歩道は鬱蒼と茂った密林の中を貫くように伸びている。この地域は完全な熱帯雨林気候に属し、亜熱帯性植物とは似て非なる景観が楽しめる。現在、この公園で見られる植物は300種に及んでおり、他地域では見られないものが多い。木陰も多く、年間を通じて風が吹いているので、夏場を除けば暑さをあまり感じないのが嬉しいところだ。

 歩道はしっかり整備されており、案内板も充実している。ただし、結構複雑に入り組んでいるので迷いやすいかもしれない。また、時には蛇がいたりするので注意も必要だ。いわゆる毒蛇は少ないが、好んで出くわしたくはないもの。もし、見かけてしまったら、動かずに見過ごすようにしよう。

園内には1882年に造営された白亜の灯台がある。南国の青空に映える姿は美しく、鵝鑾鼻のシンボルとなっている。もともと、この地は外国船とパイワン族との衝突が絶えなかった。この灯台も清国がイギリス人技師を招聘して造らせたものである。灯台は海面から55・1メートルの位置に設けられており、灯台そのものの高さは21・4メートル。出力は台湾最大を長らく誇っていた。

 日本統治時代、ここからの眺めは広く知られていた。1923年には当時皇太子だった昭和天皇がここを訪れているほか、視察にやってきた要人は必ずこの地に立ち、バシー海峡の海原を前にしたという。現在、灯台は館内の見学が可能で、その歴史を知ることができる。

 なお、鵝鑾鼻は1929年に台湾八景の指定を受けている。現在もそれを記念した石碑が灯台近くに残っており、記念撮影のスポットになっている。付近には貝殻細工を扱う屋台が出ていたりするので、お土産探しを楽しもう。週末は結構な賑わいになるが、平日ならのんびりと回ることができるので、こちらがおすすめ。また、早朝の澄み切った空気もすがすがしいので、午前中に散策を楽しむことをおすすめしたい。

 マリンスポーツや海水浴で知られる墾丁国家公園だが、リゾートライフばかりではなく、鵝鑾鼻にも足を運んでみよう。特にアクティブな旅をしたいと願う旅行者には、ちょっとしたジャングル体験ができる鵝鑾鼻はおすすめだ。

 現在、高雄からの直通バスは日中約1時間おきに運行されている。いずれも恒春を経由する。恒春からは屏東客運の路線バスの便もある。さらに週末には恒春半島の見どころを巡る「墾丁街車」という観光路線バスが1時間間隔で運行されている。宿は墾丁地区にはリゾートホテルばかりが並んでおり、出費もかさむので、安宿を探すのであれば、墾丁地区よりも恒春のほうが便利。バス乗り場付近にいくつかの宿がある。

※交通機関の情報は「な〜るほど台湾」に掲載時のものです。現在とは異なります。

 

 

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