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薬草栽培専門の個性派植物園       
      −台東原生應用植物園

『な〜るほど・ザ・台湾』観光最新情報 掲載

山紫水明の誉れ高い台東。その郊外にある「台東原生應用植物園」は薬草を中心とした個性派植物園。園内にはレストランや薬草グッズのショップもあり、大人から子供まで楽しめるスポットとなっている。

 

 台東駅から車で30分あまり揺られると、「台東原生應用植物園」に到着する。ここは2005年5月にオープンした緑の楽園。敷地内には約200種の薬草が栽培されている。眺望も素晴らしく、知名度こそ高くないが、週末になると多くの行楽客で賑わう。

 まずはオーナーの楊文達氏に話を聞くことにした。楊さんは台東生まれで、以前は台北で働いていたが、この土地の良さを多くの人に知ってもらいたいという願いから、郷里へ戻り、植物園を設立した。各農家と協力し合い、地域経済の活性化にも大きく貢献している。楊さんに園内を案内してもらいながら、ここで栽培されている薬草について、詳しくお話しを伺うことができた。

 「台東は知る人ぞ知る薬草の一大産地ですよ」と楊さん。汚染されていない空気と土壌、そして黒潮の流れや季節風などの自然条件が、薬草栽培に適しているのだという。実に1000種を越える薬草が自生しており、古くは日本統治時代から薬草の研究が行われていた。当時は疫病に効く薬草が主に栽培されていたという。

 現在、植物園ではクコやハトムギなど、漢方薬材としておなじみの薬草から、ラベンダーやミントといった西洋ハーブまで、さまざまな薬草が栽培されている。その数200種あまり。さらに植物園では絶滅の危機に瀕している稀少植物も保護育成しており、こちらも注目を集めているという。

 この植物園の最大の目玉となっているのは「薬草鍋」だ。園内にはガラス張りの洒落たレストランがあり、ここで味わうことができる。薬草はすべて園内で有機栽培されたもの。薬草というと苦くて渋いというイメージが強いが、ここでは美味しく食べるための様々な工夫が施されている。

 レストランは食べ放題方式で、各席に一人用の鍋が置かれている。カウンターには数種類の薬草のほか、新鮮な肉や魚などの具材が並ぶ。これらを十数種類の漢方と鶏ガラをベースにした特製スープに浸して味わう。美味しく食べるコツは鍋に10秒から20秒だけ浸して食べること。こうすると栄養分を逃すことがない。中には多少の苦みを感じる薬草もあるが、特製のタレを付けるとマイルドな味わいになってしまうから不思議。タレにはレモングラス風味、刺葱という薬草を用いたオリジナル、そして、クコの実を用いたものがあり、すべて独自に編み出されたもの。最後には、旨味たっぷりのスープも味わおう。

 鍋以外にも、薬草を食べて育った地鶏や薬草入りのいなり寿司、テンプラなどもあり、まさに薬草づくしだ。ちなみに、レストランは台北や台南にも分店があるので、台東まで足を運べない人はこちらを訪ねるのも手だ。

 さらに園中央にはUFOのような外観の建物が建っている。二階建ての館内には、薬草を用いたグッズがずらりと並んでいる。販売されているのは食品からボディケア用品まで。漢方薬材を詰め合わせたスープの素や薬草を用いたクッキーなど、アイデア商品も多い。そのほか薬草茶や薬用酒などもあって、試飲コーナーも設けられている。また、ドクダミの石鹸やシャンプー、レモングラスのハンドクリームなど、お土産に喜ばれそうなものも充実。さらに薬浴やアロママッサージなどが受けられるスパ館もある。

 まさしく薬草の一大テーマパーク。半日いても決して飽きることはない。心身ともにリラックスできること間違いなし。台東へデドックス(毒だし)の旅に出かけてみませんか。

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