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赤煉瓦の趣に浸る優雅なひと時
台北市・西門町 紅楼劇場

『な〜るほどザ台湾』台北風まかせ 2007年8月号掲載

 台北市の西部。若者の街として知られる西門町は日本統治時代からの繁華街である。かつては台北随一の栄華を誇っていたが、現在は往時の勢いを失っている。それでも歴史ある街並みには人を惹きつける魅力が宿っているのだろうか。日本人をはじめ、外国人旅行者の姿も頻繁に見かけるエリアである。

 今月紹介する紅楼劇場は、その西門町のシンボルと言うべき存在である。日本統治時代は市場として親しまれた建造物で、竣工は1908(明治41)年。設計を担当したのは台湾総督府技師・近藤十郎だった。近藤は領台当初から台湾の建築に携わっていた人物で、赤煉瓦を用いた建築を得意とした。この建物は旧台湾総督府台北医院(現国立台湾大学附属医院旧館)や台北第一中学校(現建国中学)と並び、近藤の代表作とされている。

この建物は上から見おろすと正八角形をしている。そのため「八角堂」と呼ばれることもあった。もともと湿地で無人地帯だったこの一角は衛生状態が悪く、建物も当初は衛生管理を司る目的で建てられた。この個性的な形状も、縁起を担いで「八卦」をモチーフにしたと言われている。文献による記載は見あたらないが、興味深いエピソードではある。

終戦を迎えて日本人は台湾を去った。戦後、この建物はしばらくは市場として使用されていたが、1956年から映画館として使用されるようになる。そして、西門町そのものが勢いを失ったことで、この建物も半ば放置されるようになってしまった。しかも、2000年には火災に遭って一部が焼失。一時はその存在すら忘れられていた。

 現在、この建物は古蹟の指定を受けており、行政による保存が決まっている。2002年には公共スペースとして整備され、二階には舞台、一階には展示と販売のスペースが設けられた。館内の随所に古写真や昔懐かしい玩具が飾られ、人々の目を楽しませている。

二階では不定期ながら伝統芸能や創作劇の公演がある。公演のない時には茶芸館として開放されており、歴史建築の趣に触れながら台湾茶を味わうことができる。MRT板南線西門駅から徒歩1分。時間を気にせずにくつろげるので、行き交う人々の姿をここから眺めてみてはいかがだろうか。

※ 2008.5現在、紅楼劇場は現在は西門紅楼と名前が変わっております。

紅楼劇場
台北市萬華区成都路10号
02-2311-9380
参観無料
月曜休館
http://www.redplayhouse.com.tw/

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