共栄ツアーズさんの企画で実現した今回の旅。
台湾の魅力や奥深さを、より多くの方と共有したいというコンセプトで、
私がコースをアレンジし、全体をコーディネートさせていただきました。
おかげさまで、20名の方にお申し込みいただき、楽しく旅ができました。
今回のツアーでは、マンゴーの味比べや日本統治時代の遺構、
木造駅舎、建築探訪など、様々なネタを盛り込んでみました。
同時に、台湾の方々、特に日本語世代と呼ばれる老人たちとの語らいの機会を設け、
郷土への思い、そして、日本を見つめるまなざしに触れてもらいたいと思いました。
以下、ツアーを辿ってみたいと思います。
6月14日(木曜日)
初日はご挨拶をかねて広東式のローストダックを賞味しました。
龍都酒楼は広東ダック専門のシェフを擁するレストランで、
今やどのガイドブックでも紹介される有名店。
振り返ってみると、2000年に刊行された昭文社のガイドブック以来、
私とのおつきあいも10年になります。
今回の食事は事前にスタッフと30分かけてメニューを検討しました。
その甲斐もあって、お食事はご満足いただけたようです(よかった!)。

6月15日(金曜日)
この日はまず国立台湾博物館へ。常設展示の台湾原住民族をご紹介しました。
各部族について展示がある数少ない場所ですが、
特別展示の阿里山鉄道と児玉源太郎と後藤新平の銅像秘話についても紹介したかったので、
手短かにお話ししました。

228紀念館では館内のご案内のほか、
ボランティアガイドの簫錦文さんにもお時間をいただき、お話しをいただきました。
お昼は京鼎楼で小籠包を味わい、午後の列車で台南へ。
台湾高鉄は往復ともグリーン車を利用しました。
高鉄台南駅から市内に向かう途中で、日本統治時代の木造駅舎が残る保安駅に寄り道。

夕食は赤嵌担仔麺で台南の郷土料理に舌鼓み。
ここはかつてテレビの企画で笑福亭笑瓶さんをご案内したお店です。
オーナーのご挨拶で食事は始まりました。
台湾歌壇の南部歌会の方にも同席していただき、
往年の台湾について自由に語っていただきました。
その後はライトアップされた夜の赤崁楼を見学。
ここでは今も敬愛される日本統治時代の台南市長・羽鳥又男さんの銅像を見ました。
許文龍さん寄贈の銅像ですが、今は二階に移されました。
開南大学の北島先生にお教えいただき、ここを訪ねました。

6月16日(土曜日)
この日はマンゴーの玉井と烏山頭ダムへ。
その前に前日に取材を受けた中華日報をコンビニで購入。
ちょっとした記念になりました。

玉井ではマンゴーの味比べ。
これは今回、ぜひともやりたかった企画です。
マンゴー農家や農協の協力を得て、14種類のマンゴーが並びました。
私自身、初めて見た種類も多く、ちょっとした感動を覚えました。
オーナーから参加者一人一人お土産にドライマンゴーをいただき、
青果市場を散策してからお昼ご飯。昼食は地鶏や山菜料理を味わいました。


食後のデザートはマンゴーかき氷。
特製マンゴーシャーベットで作ったかき氷を美味しくいただきました。
この有間冰舗というお店は個人的にもイチオシのお店です。
ここからバスで移動して烏山頭へ。
八田與一技師をはじめ、職員たちが暮らしていた宿舎群に住んでいたという老人を訪ね、
ダムへ向かいました。
嘉南水利会のご協力で、八田技師銅像の母型(おもがた)を特別に見せていただきました。
西拉雅国家風景区からはDVDとキーホルダーをお土産にいただきました。

大雨が心配でしたが、なんと、烏山頭では青空も見えるほどでした。
ちょっぴり慌ただしい感じも否めませんでしたが、烏山頭をあとにして、高鉄嘉義駅へ。
往路と同様、グリーン車はやはり快適でした。
6月17日(日曜日)
最終日はオプションの台北市内散策。
敢えてコースの内容をお知らせしなかったのですが、
まずは西門町の天后宮に祀られる弘法大師と日本統治時代のお地蔵さんを訪ね、
それから往年の目抜き通りの栄町通り(現衡陽路)の商店建築群をご案内しました。
この日にいたってはなんと快晴!旧台湾総督府をバックに記念撮影も楽しめました。
最後のお食事は茶葉を用いた創作料理・禅風茶趣にて。
店主自身が焙煎した台湾茶をお好みで購入し、ホテルへ戻りました。

おかげさまで雨にも降られず、無事に終わることができました。
スケジュールにもう少し余裕を持ちたかったのと、
ツアー参加者同士の交流の時間を設けたかったなど、いくつかの反省点がありますが、
台湾ならではの「空気感」を噛みしめていただければ幸いです。
ありがたいことに、共栄ツアーズさんでは第二弾、第三弾を検討しているそうです。
より大きな満足感を得ていただけるよう、今後も精進したいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
片倉佳史

みなさん、とてもいい笑顔。ご参加、ありがとうございました。